ANAホールディングスは、平成30年度の第1四半期(4月~6月)の決算を発表した。昨年に比べて472億円の売り上げが増加して売上高は4517億円となり、営業費用を差し引いた営業利益も昨年比113億円増加の254億円となった。売上高・営業利益・経常利益(247億円)は過去最高を記録した。
国際線旅客・国内線旅客・国際線貨物共に好調に推移したこと、また今期から連結子会社になったピーチ・アビエーションの収入が加わったこともあり、売上高が増加した決算となった。
北米・欧州などの国際線長距離路線が好調
国内線では、昨年に比べて旅客数は5.8%増加の1035万人を記録し、利用率も3.4ポイント増加の64.5%となり、国内線旅客収入は40億円の増収となった。ビジネス需要とゴールデンウィーク期の販売が堅調だったことが大きく、航空券単価が下がったが、それを上回る旅客数が増加したことで旅客収入が増収となった。
また国際線では、昨年に比べて旅客数は5.4%増加の224万6千人を記録し、利用率も0.7ポイント増加の73.7%となり、国際線旅客収入は161億円の増収となった。北米・欧州などの長距離路線の海外出張需要が増加し、航空券単価の部分においても貢献した。収益の部分で特に貢献したのはビジネス渡航の部分であり、ビジネスクラスの提供座席数に比べての伸びが長距離路線が中心に大きかった。インバウンド(訪日旅行客)においては、マイナスではないがこれまでの伸び方に比べると緩やかになってきた。観光需要においては、第1四半期においては、特に日本人のヨーロッパへの観光需要が伸びており、収入ベースでも欧州方面が地域別で最も伸びていると分析している。
ピーチが今期より連結子会社。LCC2社ともに85%前後の搭乗率
連結子会社になっているLCC(格安航空会社)の4月~6月の期間においては、バニラエアの旅客数は65万1000人で利用率は84.8%となった。またピーチ・アビエーションの旅客数は118万6000人で利用率は85.8%となった。
通期の連結業績予想は前回発表からの見直しは行われないとのことである。
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(鳥海高太朗)
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 今回の4月~6月における第一四半期の決算発表の中で、国際線長距離路線の好調による効果が大きかったようだ。これは一昨日に同じく決算を発表したJALの会見でもそうだったが、ヨーロッパ線の好調が下支えしている。昨年はヨーロッパでのテロの影響により、旅客数が落ち込んだが、今年に入ってビジネス渡航だけでなく、日本人のヨーロッパへの旅行需要も回復したことも両社のヨーロッパ線好調の理由のようだ。
テロリスクは払拭できていないが、旅行は平和でないと成り立たない産業であり、大きなテロが起きないことを心から願いたい。
編集長 鳥海高太朗