ANAグループのANAカーゴは、2019年6月13日に新しい貨物機として2機導入するボーイング777フレーター型機を羽田空港でメディア関係者にお披露目した。今回、777フレーター型機の愛称を「BLUE JAY」とした。日本名はアオカケスという北米に生息する青い翼の鳥で、勤勉な鳥と言われており、ANAカラーと同じことから社内公募によって決定した。7月2日より上海、10月末からシカゴへの貨物便として就航する予定となっている。
ボーイング767の2倍の最大102トンの貨物搭載が可能
現在12機導入している767フレーター型機では搭載重量は52トンになっているが、777フレーター型機では102トンと2倍の貨物の搭載が可能となるほか、1パレットあたりの最大重量も21トンになったことで、より大きな貨物の搭載も可能になる。
航続可能距離も767フレーター型機では、ほぼ満載の状態の場合は約6056キロとジャカルタあたりまでしかノンストップで飛行できないのに対し、777フレーター型機では約9070キロでシカゴまで飛行することも可能となる。
機内には輸送管理者が座れるシートも4席用意
ANAカーゴの杉口広取締役は「777フレーター型機の導入で半導体製造装置などの大型の工作機械や航空機エンジン、自動車のテスト車両の運搬などにも対応できる。医薬品など温度や湿度の管理においては、従来は旅客機の貨物エリアで運んでいたものも貨物機で運べる」と話した。
今回の機体お披露目では、客室空間も公開され、精密機械や生体馬などケアが必要な輸送のための輸送管理者が搭乗できるシートを装備する。一昔のビジネスクラスのシートになっている。
ANAカーゴによると、航空貨物マーケットの部門においては、アジアと北米間の需要は今後20年間で年平均4.6%の成長を見込んでおり、旅客機同様に首都圏ハブとして、貨物においても日本発着だけでなく、アジアと北米間の貨物需要を貨物機と旅客機の貨物エリア(ベリー)の両方を活用して取り込みたいとしている。
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