ANAホールディングスは、2018年3月22日に東京都内でグループLCCであるピーチとバニラエアの両社を2018年度下期より統合へ向けたプロセスを開始し、2019年度末を目処にピーチを基盤に統合することを発表した。統合後は「ピーチ」のブランドで運航する。現状のバニラエアの塗装機は、ピーチの塗装に塗り替えられる。
ピーチは関西で、バニラエアは成田を拠点としているが、これまで培ってきた関空・成田などを拠点とした路線ネットワークの拡充、魅力的な運賃設定や期待を超えるサービスの実践、様々なイノベーションを通し、国内外の潜在需要を喚起し、新しいマーケットを切り拓いていくことを目指す。新生ピーチは、2020年以降、50機を超える機材と国内・国際線合わせて50路線以上の規模で、日本とアジアをつなぐ路線ネットワークのさらなる拡充を図り、アジアを代表するリーディングLCCを目指す。また、2020年を目途に中距離LCC路線にも進出し、成長著しいアジアの需要を積極的に取り込むことで、訪日外国人旅行者数を4000万人とする政府目標の実現に貢献したいとする。現状、両社の重複路線は3路線(成田~関西、関西~台北、那覇~台北)のみとなっている。
またピーチは、株主構成の変更を発表し、株式譲渡契約を締結した。今回、香港のファーストイースタンアビエーションホールディングスが保有する株式をANAホールディングスが113億円で株式を取得し、ANAホールディングスは77.9%(現状67.0%)、ファーストイースタンアビエーションホールディングスは7.0%(現状17.9%)、産業革新機構は15.1%(現状同じ)という株主構成となる。株式取得は今年4月を予定している。
独自性においては、ANAホールディングスは、従来同様にLCC事業に関して経営の独自性を尊重しながら、ANAグループ全体の事業領域の拡大、収益の最大化に向けてポートフォリオを深化させることを明らかにした。
ANAホールディングスの片野坂真哉代表取締役社長、ピーチの井上慎一代表取締役CEO、バニラエアの五島勝也代表取締役社長のコメントは追って記事掲載する予定。
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(鳥海高太朗)