バニラエアが成田~関西、成田~函館線に新規就航。函館線は成田空港の国内線で18番目の路線で、函館空港への就航は日本のLCC(格安航空会社)でバニラエアが初となる。函館への移動の新たな「選択肢」となった成田発函館行きJW953便の初便の搭乗レポートをお届けする。
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成田空港で新規2路線の就航記念セレモニーを開催
成田空港を拠点とするLCCのバニラエアが新しく国内2路線を開設。2017年2月18日に成田~関西線(1日2往復)、翌2月19日に成田~函館線(1日1往復)に新規就航した。
2月18日には就航を記念してセレモニーが行われ、国土交通省 東京航空局成田空港事務所 成田国際空港長の木村茂夫氏や成田市副市長の吉田昭二氏ら成田空港周辺の自治体の関係者が招かれ、バニラエアの新規2路線による地域の活性化などへの期待の言葉が寄せられた。
バニラエアの新規2路線の運航スケジュールは以下の通り。
成田→関西(~2017年3月25日)
JW703便 成田10:30発 関西12:15着 (2月19日~3月17日)
JW701便 成田09:50発 関西11:35着 (3月18日~3月25日の水・木・土)
JW701便 成田10:45発 関西12:30着 (3月19日のみ)
JW701便 成田10:15発 関西12:00着 (3月20日~3月25日の月・火・金)
JW709便 成田19:30発 関西21:15着 (2月18日~3月25日)
関西→成田(~2017年3月25日)
JW702便 関西09:30発 成田11:05着 (2月19日~3月25日)
JW704便 関西12:55発 成田14:30着 (2月19日~3月17日)
JW710便 関西17:25発 成田19:00着 (3月18日~3月25日の水・木・土)
JW710便 関西18:20発 成田19:55着 (3月19日のみ)
JW710便 関西17:50発 成田19:25着 (3月20日~3月25日の月・火・金)
成田~函館(~2017年3月25日)
JW953便 成田11:45発 函館13:25着※月・火・金・日は10分遅発・3月19日は45分遅発
JW954便 函館14:05発 成田15:45着※月・火・金・日は15分遅発・3月19日は45分遅発
バニラエアの機体をPVに使用「DOBERMAN INFINITY」SWAY氏がスペシャルゲスト
就航記念セレモニーには若者に人気のHIPHOPグループ「DOBERMAN INFINITY(ドーベルマン インフィニティ)」のメンバー・SWAY(スウェイ)氏がスペシャルゲストとして登場。
SWAY氏はバニラエアの五島社長とのトークセッションの中で、去年グループのMV撮影をバニラエアの機体前で行ったことを振り返り、SWAY氏自身が北海道出身、さらにはグループのメンバー3人が関西出身であることからバニラエアの新規2路線に関心を寄せているエピソードを披露した。
バニラエアJW953便 成田発函館行き 初便搭乗レポート
2017年2月19日午前11時半すぎ、バニラエアJW953便・成田発函館行きの初便の搭乗が開始。搭乗ゲートの前ではバニラエアの五島社長自らが乗客一人ひとりに「初便搭乗証明書」を手渡しするサプライズも。
搭乗ゲートでは前日の式典のゲストSWAY氏の直筆サインが書かれたボードが掲示され、「お気をつけていってらっしゃい!」とSWAY氏のメッセージも見ることができた。
函館行きの初便ではバニラエアではおなじみとなった「初便搭乗証明書」と、成田空港のオリジナルペン・メモ帳が記念品として配布された。
バニラエア五島社長「目標の搭乗率まずは80%・インバウンドの乗り継ぎ客も増やしたい」
バニラエアの五島社長はひこ旅の取材に対し、「函館線の目標搭乗率はまずは80%。成田空港を訪れる海外の方の乗り継ぎ需要も増やしていきたい」と述べ、首都圏だけでなく、海外からのインバウンド客の乗り継ぎ需要も取り込んでいくことへの意欲を示した。
函館行きの初便は去年2016年12月に受領したばかりの10号機(エアバスA320型機・JA10VA)で、五島社長は今後も機材を増やし、成田空港からの路線網を拡大させていきたいと意気込みを語っている。
バニラエアJW953便成田函館行きの初便は午前11時59分にブロックアウト。滑走路混雑の影響で午後0時24分に離陸した。
離陸から約15分ほどすると機内販売を開始。
今年1月に刷新した機内食の販売メニューで復活した初代クリームパン「バニラエア特製とろ~りクリームパン」(350円・税込)は多くの乗客が注文していた。ドリンクとセットで50円割引になるセット割引があり、紅茶とのセットは500円のワンコイン価格で楽しむことができる。
函館行きの初便は177名の乗客でほぼ満員だったが、バニラエアのFA(フライトアテンダント)は常に笑顔を絶やさず接客しているのが印象的だった。
その後、バニラエアJW953便は順調に飛行を続け、午後1時37分に函館空港に着陸。午後1時41分に駐機場に到着した。
函館行きの初便のフライトには4名のFAが乗務し、そのうち3名は北海道出身。バニラエアが北海道の函館にも路線を拡大したことに感慨深い様子だった。
バニラエアの五島社長は式典で「LCCとしてお求めやすい運賃と安心できるサービスをご提供し続けることによって、多くのお客様に喜んでいただきたい」と述べているが、実際のフライトでもそのコストパフォーマンスの高いフライトを実感することができた。
年間500万人の観光客が訪れる一大観光地である北海道・函館へは、ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、AIRDOなどフルサービスキャリアのほか、去年春に北海道新幹線も開通するなど多様な交通手段がある。今回のバニラエアの就航で「LCC」という新たな選択肢が誕生したことで、今後函館の人の流れにどのような影響を与えるのか、バニラエアの手腕に注目していきたい。
関連URL:【ひこ旅】バニラエア、2017年1~3月機内食の新メニューを発表
関連URL:バニラエア
(五十嵐貴文)
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- バニラエアにとって函館は久しぶりの国内線での新規就航先となった。五島社長も記者との囲み取材の中で話していたが、昨年3月の北海道新幹線の開業で、新幹線、ANAやJALなどのフルサービスキャリア、更に割安な運賃を出すAIRDOと競合も多い中で、バニラエアの最大の強みは片道4980円~の安さと話す。
確かに東京~函館までは高速バスはなく、繁忙期でなければ最安値でいけることになる。新幹線の4分の1以下程度の安さで、運航スケジュールも比較的使い易い時間帯に設定されているので期待できる。バニラエアが函館に就航しているという知名度を高めることが今後は求められる。奄美大島、セブ島に次ぐ、バニラエアらしい路線に成長できるのかが楽しみである。