2017年元旦に羽田空港から運航されたANA「初日の出フライト」。出発から機内の様子についてレポートする。
朝4時過ぎに「初日の出フライト」のチケットを持った参加者が続々と羽田空港のチェックインカウンターで搭乗手続きを行った後、搭乗ゲートとなった58番ゲート前では、特設のお正月の飾りが施されたパネルが用意され、搭乗される乗客は振り袖姿のグランドスタッフとの記念撮影を楽しんだ。ANAの篠辺修社長も乗客を前に「今日は天候も良好と聞いており、富士山の向こうに太陽が見えると信じております。私どもは今年65年目に入ります。ここまで沢山のお客様に乗っていただいたお陰であり改めて感謝申し上げます。どうぞ初日の出フライトをお楽しみください」と年始の挨拶を行った。
今回の「初日の出フライト」は、国際線仕様のボーイング777-200型機(JA716A)が使用され、午前5時40分に出発し、日の出鑑賞スポットとなる長野県上伊那郡周辺の高度約1万3000フィート(約4000メートル)へ向けて5時51分に離陸した。
シートベルトサイン消灯後、ご来光までの時間は機内食としておせちが提供されたほか、ソフトドリンクに加えて、ビールや日本酒などのアルコール類も提供された。
乗務する客室乗務員は、ANA社内の客室乗務員コンテスト「OMOTENASHIコンテスト」の歴代ファイナリスト7名を含む10名で、生花「さくらひめ」をコサージュとして着用してお客様へのサービスを行った。
そして初日の出直前に機内の明かりを暗くして、6時50分頃に初富士のご来光を迎えた。今年は天気も良く、日の出の瞬間に眩しい光が機内を明るくなった(日の出写真は『ルーク・オザワ、「ANA初日の出フライト」Photoコレクション』をご覧ください)。搭乗された利用者は身を乗り出して飛行機の窓越しに初日の出を楽しんでいる姿が見られた。
初日の出を鑑賞した後、朝7時58分に羽田空港に着陸し、8時5分に出発時と同じ58番ゲートに到着した。到着時にもANA篠辺修社長がお客様をお見送りするなど、終始和やかな雰囲気でのフライトとなった。
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- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 今年の初日の出フライトは、天候にも恵まれたこともあり、例年よりも低い高度から初日の出を拝めたという印象である。揺れも少なく、快適なフライトとなった。
今回で17回目を迎えたANAの初日の出フライト。約2時間半の遊覧フライトで窓側席利用の普通席で二人で9万円、プレミアムエコノミーのシート利用で二人で10万円という高額にも関わらず、毎年発売開始日に売り切れるという人気ぶりである。
年々、機内で提供される「おせち」も進化している。ANAのシェフがメニュー作りを担当しているのだが、特にこの数年は洗練された「おせち」が機内で提供されている。一品一品が丁寧に作られており、子持ち昆布や黒豆、鴨、蒲鉾、鰊の昆布巻きなどは高級おせちそのものの味である。
私は取材で飲めなかったが、日本酒も機内では提供されるなど、初日の出鑑賞以外にもお正月気分を存分に味わうフライトとなった。搭乗している人が満足した顔で到着ロビーへ向かう姿が印象的だった。
富士山をバックにした初日の出の写真は、私の隣に座っていた航空写真家ルーク・オザワさん撮影の渾身の作品をお楽しみください。https://hikotabi.jp/20170101/1109
編集長 鳥海高太朗