ANA(全日本空輸)は、2019年春に東京~ホノルル線に就航する予定の総2階建て飛行機エアバスA380型機の特別塗装デザインと愛称「FLYING HONU」を2017年3月7日に発表した。
昨年秋に公募された世界中からの2197作品の中から「ウミガメの家族」をコンセプトに「ハワイの青い海でゆったりとくつろぐホヌ(ウミガメ)の親子」を描いた東京都の増岡千啓さんの作品が大賞に選ばれ、「空飛ぶウミガメ」という意味を持つ「FLYING HONU」という愛称も発表された。ハワイ語でウミガメは「ホヌ」という愛称で親しまれている。
ANA本社で開催された発表会には、ANA篠辺修社長、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)のランディ・バルデモアCOO、更に大賞の増岡さんも出席した。
大賞を受賞した増岡さんは「とっても嬉しいです。家を出るまでは実感がなかったがモデルプレーンを見たら実感が沸いてきた。早くペイントされた飛行機の飛んでいる姿を見たいと思う。デザインの応募にあたっては、自分なりのハワイのイメージを考えた中で、青い空・青い海で毎日が楽しくて竜宮城のような所であった。ハワイに行った時のことを思い出したところ、毎日が楽しくてまさに竜宮城であった。そこでカメをモチーフにデザインしようと思った」と受賞の喜びと応募にあたりどんなイメージでデザインを考えていたかなどについて話した。
また、ANA篠辺社長は「就航へ向けて少し変わったことをやりたいと思い、従来のANAペイントではなく、一般公募でデザインを募集することにした。2000を超える応募があり4割が海外からの応募があった。レジャーを中心に考えているなかで、レジャー→ハワイ→海→青というイメージであったが、カメというのはハワイでは神聖なものであり、いいのではないかと思った。楽しみにしていただきたいと思う」と話した。
現在、ANAは羽田~ホノルル線を最新鋭のボーイング787-9型機で1往復、成田~ホノルル線をボーイング767-300ER型機で2往復を運航している。成田線も6月から1日2往復のうちの1往復(NH182便・181便)をボーイング787-9型機に、残る1往復(NH184便・183便)も9月よりボーイング787-9型機での運航となる。
あと2年後の就航へ向けて、今後各クラスのシートやサービスも発表される予定となっている。
(鳥海高太朗)
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 国内の航空会社では初となるエアバスA380の就航まで約2年。機体デザインが発表されると、いよいよ就航が近づいていることを実感することになる。現行ではANAのホノルル線のシェアは10%程度であるが、A380が就航することで現在の倍近くの輸送力となり、JAL(日本航空)と同レベルの輸送力となる。
更に大阪に目を向けると6月にLCC(格安航空会社)のエアアジアXの関西~ホノルル線が就航する。JALも東京路線に加えて、関西・中部にもフルフラットになる新型のビジネスクラスシート、足元がゆったりしていることで人気のエコノミークラスのシートを搭載した機材を投入するなど、運賃・サービス共に競争が激化することになりそうである。
編集長 鳥海高太朗