JAL(日本航空)は、2017年9月11日に東京・天王洲のJAL本社で記者会見を開き、世界最大の旅行情報サイト「トリップアドバイザー」がサイト上に構築する日本特集サイトにおいて、両社が協力して日本の知られざる魅力を発信することで、インバウンド(訪日旅行客)の国内旅行を喚起する取り組みを共同で行う。
日本特集サイトは、今年10月中旬以降の公開を予定よりしており、東北・九州・沖縄・東京近郊の都市に焦点をあてた映像コンテンツを中心に展開し、英語・中国語(簡体字)・タイ語など多言語に対応する予定が。JALは独自の日本コンテンツの提供と情報支援などを行い、トリップアドバイザーは主にサイトの構築・運営や映像コンテンツの製作を担当することになり、2020年までにコンテンツを充実させ、将来的には地方自治体・企業・観光施設などとの連携を考えている。
JAL植木社長、海外向けの情報発信強化が不可欠
JALの植木義晴社長は「新たなサイトを通じて、訪日旅客の日本国内旅行を更に喚起する取り組みを推進していきたい。まだまだ世界への発信力が不十分であり、海外向けの情報発信の強化が課題であると認識している。日本全体の知られざる魅力を世界に発信してくれることで海外の人に日本各地の魅力を知っていただくことが可能になる」と協働することのメリットについて話した。またトリップアドバイザーのステファン カウファーCEOは「トリップアドバイザーは世界最大のトラベルサイトであり、毎月4億人以上のユーザーが訪れ、5億以上の口コミや情報が載せられている。世界中の旅行者が計画する段階から最も最良の情報を提供する情報リソースとして信頼されている」と同サイトの魅力を話した。
「JAL Japan Explore Pass」の集客に繋がる
今回、JALにとっては日本特集サイトで「JAL Japan Explore Pass」をトリップアドバイザーを通じて紹介されることにより、訪日旅行客が日本国内においてJAL便利用が増えることが期待されている。
「JAL Japan Explore Pass」は、訪日旅行客向けの国内線運賃で(日本在住の日本人は利用することはできない)、1区間あたり1万800円(一部短距離路線は5400円・7560円)という割安な運賃で購入できるが、JALによると、昨年と今年で比べると倍増しているが、まだ世界ではあまり知られていないのが実情である。JALにとって「世界への発信力の強化」「訪日ビジネスに対する強力なグローバルパートナーの欠如」という課題を解決させる意味で今回の提携は大きな意義があるだろう。JAL側から協業のお話を持ちかけて実現したのも納得できる。
日本の情報を動画で発信する
トリップアドバイザーは、月間4.15億人が利用し、49の世界の国と地域、5.35億の口コミ情報、700万以上の宿泊施設・レストラン・観光の情報が発信されている。今回の日本特集サイト「Untold Stories of Japan(知られざる日本)」では映像コンテンツを中心とした情報が発信されるが、特に地方において魅力的なコンテンツが外国人向けに発信できれば、わざわざ訪れる人が増え、更に、トリップアドバイザーのユーザーが口コミ投稿することで、日本に関心がなかった人にも日本の魅力を知ってもらえる可能性が高い。
どんな形で日本が紹介されるのか楽しみであるが、日本在住の日本人においては、トリップアドバイザーで口コミの投稿でJALマイレージバンクのマイルを貯めることができる(月間最大1500マイルまで貯められる)。
関連URL:JAL、トリップアドバイザー
(鳥海高太朗)