JAL(日本航空)とハワイアン航空の両社は、東京・天王洲のJAL本社で会見し、2018年3月25日の夏ダイヤより包括的業務提携契約を締結し、両社が運航する日本~ハワイ路線でのコードシェア、ラウンジの相互使用、マイレージプログラムの提携などを行うことを発表した。また、将来的には共同事業(ジョイントベンチャー)の検討も行う。
ハワイアン航空運航の日本~ハワイ線もマイル積算対象になる
マイレージプログラムにおいては、JALマイレージバンク会員がハワイアン航空運航のコードシェア便を利用した場合にマイルの積算が可能となる。マイル提携のスタートも2018年3月25日となる予定。また、2018年度以降に準備が整い次第、ハワイアン航空運航便の特典航空券利用も可能となる。現在、ハワイアン航空の日本~ハワイ路線では自社マイレージプログラム「ハワイアンマイルズ」及びアメリカン航空、大韓航空などのマイレージプログラムにしか積算できない状況になっているが、今回の提携によってハワイアン航空便でJALのマイレージにマイルが貯められるのは大きい。
コードシェア便になることで、JAL航空券でハワイアン航空運航便にも乗れる
コードシェア便においては、ハワイアン航空運航の日本路線全便(羽田・成田・関西・新千歳~ホノルル、羽田~コナ)、JAL運航の日本~ハワイ線全便(成田・関西・中部~ホノルル、成田~コナ)、更にハワイアン航空のJAL運航便と乗り継ぎ可能なハワイ州内路線及びJALの国内線・アジア路線も対象となる。往路はハワイアン航空運航の羽田→ホノルル、復路はJAL運航のホノルル→成田といった航空券も買えることになる。
今回のコードシェア便に伴い、ハワイアン航空の成田空港における発着ターミナルを現在の第1ターミナル北ウイングから第2ターミナルに移転する予定となっている。ラウンジ利用においては、日本・ハワイでのラウンジが双方で利用可能となる。
かつてはハワイアン航空のCAがJAL便に乗務したことも
提携発表の記者会見でJALの植木義晴社長は「JALは1954年2月にハワイ線を開設した。JALの代表路線といっても過言ではなく、9月15日には成田~コナ線の運航を開始し、現在週47便・1日あたり7便が日本から就航している。ハワイアン航空とは、1985年にはハワイ観光促進キャンペーンの一環として18名のハワイアン航空のCAがJALのハワイ便でサービスしたこともある。今年でハワイ線開設63周年になるが、今回の提携により、新たなスタートを切る。更にハワイの魅力を伝え、初めての方もリピーターの方も何度もハワイに足を運んでもらうことで、ハワイ州の観光産業活性化のお手伝いをしたいと思う。末永くハワイアン航空と共に努力をしていく」と話した。
羽田からホノルルへ週11便、コナへ週3便を運航するハワイアン航空
また、ハワイアン航空のマーク・ダンカリー代表取締役兼CEOは「両社のパートナーシップは、日本~ハワイ諸島間を渡航されるお客様に長きにわたり利便性を提供できるものと確信している。ハワイアン航空は、ハワイで創業した最初の航空会社でまもなくサービス開始から88年を迎える。お客様が機内に搭乗した瞬間にハワイへのバケーションが始まったと感じていただけると思います。2010年に羽田~ハワイ路線の運航を開始し、東京からは1日3便、大阪から1便、札幌から週3便で就航している。本日発表の提携を通じて両社のお客様に利便性を提供し、この数ヶ月の間に日本及びアメリカ政府にATI(独占禁止法適用除外)を申請し、共同事業を行う予定。ハワイアン航空としては初めての共同事業となり、JALはこの上ないパートナーである」と話した。
コードシェア便の航空券販売及びマイレージ提携の詳細などについては今後改めて発表される。
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(鳥海高太朗)
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 今回の提携でJALとハワイアン航空が組むことによって、東京~ハワイ間だけみても、JAL運航便の成田~ホノルル線が1日4往復、成田~コナ線が1日1往復、ハワイアン航空運航便の羽田~ホノルル線が週11往復、羽田~コナ線が週3往復、成田~ホノルル線が1日1往復と合計1日8往復体制となり、A380を2019年に東京~ホノルル線に投入する予定のANAを意識した提携だと言える。
特にJALは羽田~ニューヨーク線就航に伴い、今年3月末に羽田~ホノルル線を運休することになったが、今回の提携によってハワイアン航空運航のコードシェア便で羽田便が利用できるというメリットも受けられる。そして何よりもハワイアン航空便でマイルが貯めやすくなるのが一番大きいだろう。
編集長 鳥海高太朗