JAL(日本航空)は、平成30年3月期の第1四半期(平成29年4月~6月)の連結業績を発表した。昨年に比べて176億円の売り上げが増加し、営業収益は3148億円となり、営業費用を差し引いた営業利益も昨年比48億円増加の245億円となった。株主への配当も前回発表では中間配当45円・期末配当45円の合計90円としていたが、中間配当48円・期末配当48円の合計96円に上昇修正した。
特に国内線が好調であり、昨年に比べて有償旅客数は8.1%増加の807万人を記録し、有償座席利用率も4.6ポイント増加の68.3%を記録した。その背景には、Wi-Fi無料化の効果が出ていたとJALでは分析している。お客様へのアンケートにおいても、航空会社を選ぶ要因にWi-Fiが入っているとのこと。特に無料化を実施した2月以降の搭乗率の上昇幅が顕著になっていることを確認しており、増収効果は試算よりも大きく、業績にも大きく貢献したとのことである。
また国際線においては旅客数は大きく変わらないが、旅客収入が6.1%アップの1055億円を記録した。単価において、前年に比べて6.8%増加の5万1798円になったことが旅客収入増加に繋がり、当初予想よりも上振れという結果になった。新規に就航する成田~メルボルン線では、双方向の業務需要、高単価の観光客の取り込みも成功している。また、成田~コナ線についても滑り出しは上々であるとのことである。
通期の連結業績予想も今年4月28日に発表した予想を上方修正し、営業収益は1兆3480億円(前回発表時より90億円増加)、営業利益は1530億円(同110億円増加)に修正した。
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(鳥海高太朗)
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 今回の決算発表会見を聞いた感想として、最も驚いたのは国内線Wi-Fi無料化が想定以上に利用者アップ、そして業績アップに貢献したことであった。JTA(日本トランスオーシャン航空)便の一部を除いた全便に搭載され、2月からキャンペーンで無料化、そして8月以降は完全無料化になるが、今回の会見でその効果が数字として現れていたことを会社として公表したことは大きな衝撃と言ってもいいだろう。
今後、フルサービスキャリアにおけるWi-Fiの料金設定(無料なのか有料なのか)がどうなるのかにも注目していきたい。
編集長 鳥海高太朗