機内でインターネットに接続できる航空会社が増えています。ネット上のコンテンツを楽しむことができる機内インターネットはLCC(格安航空会社)こそ力を入れるべきではないでしょうか。
今回、機内Wi-Fiを全便に搭載したLCC「スクート」を調査しました。
フルサービスキャリアを中心に機内インターネット接続が可能な航空会社が拡大中
フルサービスキャリアを中心に機内でインターネットに接続できる航空会社が増えています。機内インターネットを活用する出張者も多いと思いますが、追加料金がかかることから敬遠している人も多いかもしれません。
フルサービスキャリアでは機内エンターテイメントが充実していることから、娯楽という面では敢えてネットに接続する意味も少なく、逆に機内にいる時間だけでも仕事の連絡から離れたいと思っている出張者もいるでしょう。
全便機内Wi-Fiを提供するLCC「スクート」
LCCはどうなのか。現在、日本を発着する航空会社で確実に機内Wi-Fiサービスを利用できるのが、シンガポール航空が出資するLCCの「スクート」です。
スクートは現在、成田~台北~シンガポール、成田~バンコク~シンガポール、関西~バンコク~シンガポール、関西~高雄~シンガポール、札幌~台北~シンガポールの5路線を運航しています。機材はボーイング787型機を使用していて、全便でネット接続が可能です。
機内で普段と変わらずインターネットが可能
タイのバンコクから成田空港に向かうスクートで機内Wi-Fiを実際に利用してみましたが、ヤフーやグーグル検索など、普段と変わらない感覚でインターネット閲覧が可能でした。Wi-Fi機能を搭載したスマートフォンやタブレットでの接続も可能です。
機内インターネット 実際の通信速度は
スクートの機内Wi-Fiの実際の通信速度を計測してみると、下り(ダウンロード)は約1~3Mbps、上り(アップロード)は約100~300Kbpsという結果に。
通信回線にドイツテレコムの衛星回線を利用しているため上りの速度は遅めですが、下りはADSL並みの速度が出てインターネット閲覧には全く問題のないスピードでした。
時間制と容量型の料金プラン
肝心の料金ですが、スクートの場合は時間型と容量型の計4種類のプランを提供しています。(※日本円換算は11月27日のレート)
- 1時間プラン 11.95米ドル(約1,350円)
- 3時間プラン 16.95米ドル(約1,920円)
- 24時間プラン 21.95米ドル(約2,480円)
- 最大64Kbpsで20MBまで 5米ドル(約570円)
意外と使えるワンコイン価格の「ソーシャルライトプラン」
スクートの機内Wi-Fiのプランの中で注目なのが、5米ドル(約570円)というワンコイン価格の「ソーシャルライトプラン」です。
最大64Kbpsの低速通信ではありますが、LINEやTwitterなど各種SNSのやり取りには十分な速度。少し時間をかければ写真付きのメッセージ送信も可能でした。通信速度が遅い分データ通信量の消費も少なく、20MBというデータ量の制限は十分だと感じました。
機内エンタメを省くLCCこそ機内Wi-Fiに力を入れるべきではないか
スクートの機内Wi-Fiを活用すると、現地の観光情報やレストランを検索したりLINEやFacebookなどで家族や友達とやり取りしたりするなど、長時間のフライトも楽しく過ごすことができました。
LCCでは運航コストを抑えるため機内エンターテイメントの提供を省く会社も多いですが、乗客自らがネット上の各種コンテンツを楽しむことができる機内Wi-Fiは、まさにLCCの弱点を補うサービスになりうる機内サービスです。導入コスト・運営コストはかかりますが、運賃の値上げに繋がらない範囲でLCC各社に機内Wi-Fiの導入を検討する余地はあると思います。
関連URL:スクート 機内Wi-Fi