2017年1月14日に石垣島のANAインターコンチネンタル石垣リゾートで石垣市文化観光シンポジウムが開催され、特別講演として新国立競技場を設計する建築家で東京大学教授の隈研吾氏が「島の文化と魅力の創出」というテーマで講演を行った。
羽田空港から直行便が1日4往復
2013年3月7日に開港した新石垣空港は、ボーイング787クラスの離発着が可能となり、羽田からANA(全日本空輸)とJTA(日本トランスオーシャン航空)から1日2往復ずつ直行便を運航しているほか、LCCもピーチが関西から1日1往復を就航している。また那覇からはANAやJTAに加えて、ソラシドエアも就航している。
旧石垣空港に建てられる新庁舎には観光客が訪れて欲しい
隈研吾氏は講演の中で、これまで手掛けてきた福岡県の太宰府にあるスターバックスや東京・浅草にある台東区の文化観光センター、市庁舎関連では新潟県の長岡市役所など地域の良さを全面に出した建築物を紹介しながら、隈氏が設計・建設を手掛ける旧石垣空港跡地に新たに建設する石垣市役所においては「集落の感じを残したい。集落の中の市民広場のような形で観光客にも訪れる場所になって欲しい」と話した。
2016年に石垣を訪れた観光客は120万人を突破
冒頭で挨拶した中山義隆石垣市長は「昨年は120万人を突破することが確実で、その流れは続いており、本年もクルーズ船の寄港回数が史上最高を記録するような予約件数になっており、新しい航空路線の拡充や機材の大型化が見込まれることで更に伸びていくことが考えられる。石垣を含む八重山地域は大変色濃い独特な文化を有しており、そういった文化を育てていきたいと思っている」と話した。
また、パネルディスカッション「文化観光都市ISHIGAKI 2020東京オリパラに向けて」と題し、石垣市観光アドバイザーでジャパンライフデザインシステムズ代表取締役の谷口正和氏をコーディネーターに、隈研吾氏、佐々木雅幸氏(文化庁文化芸術創造都市振興室長・同志社大学教授)、岡田智博氏(NPOクリエイティブクラスター代表)、平田大一氏(公益財団法人沖縄県文化振興会理事長)、中山義隆石垣市長が登壇し、石垣市が文化観光都市として2020年へ向けて何をしていくべきなのかについてディスカッションが交わされた。
2013年3月6日に閉港した旧石垣空港跡地には、既に消防本部が移転したほか、病院も建設される予定となっている。新庁舎の建設はこれからとなるが、オープンした際に新たな観光スポットとして注目されることに期待したい。
- 編集長's eye BIRD SEAビュー
- 私は1年3ヶ月ぶりの石垣島であったが、石垣空港でのレンタカーの台数が大きく増えていたことに驚いた。石垣島を訪れる観光客が年間120万を超えていることを物語る光景であるが、新空港が開港したことで羽田からの直行便が増便され、機材も大型化されたことで島を訪れる観光客数がアップしたことは明らかであった。石垣本島だけでなく、竹富島・小浜島・西表島・波照間島などへ足を伸ばす観光客も増えた。
更なる観光客増加を目指すのであればLCCの就航が不可欠になるだろう。現在は関西空港からピーチが1日1往復、香港からの香港エクスプレスが週2往復のみとなっているが、成田からもLCCが就航して欲しいと思っている利用者が多いだろう。
今回の訪問で石垣市役所の新庁舎は旧石垣空港跡地に建てられるが、既に整地されている。観光スポットになりそうな新庁舎のオープンが今から楽しみである。
編集長 鳥海高太朗